皿山の家

設計
松山将勝/松山建築設計室
施工
ASJ福岡スタジオ[株式会社未来図建設]
撮影
石井紀久

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皿山の住宅は福岡市南部の閑静な住宅街に位置している。敷地は間口6mの奥に広い面積を持った旗竿形状で、この場所を取り囲むように戸建て住宅が建ち並ぶ環境下にある。密度の高い住宅群の中にあって、広さのわりには有効に使える面積が限定されるこのような敷地は、一般的には敬遠されがちであるが、利便性を担保した上で都市の喧噪から離れ、独自の世界観をつくるには絶好の場所である。奥深いこの敷地の魅力と隠れ家的な住まいが共存するような建築になればと思い描き計画はスタートした。

計画に際してご夫婦からは愛車とハーレーを収納できるガレージハウスと、太陽光発電10kWを装備した自然エネルギー型の住宅という2つのリクエストが示され、大屋根の中でダイナミックに展開する建築の方向性は、クライアントの要望に応えるかたちで自然に定まっていった。具体的には建築の骨格を支配する大屋根の総面積と勾配は、パネルの容量と太陽光を効率よく受電する角度から決定され、この条件から生まれた断面がそのまま内部空間にも展開されている。したがって1階の南側の庭に大きく開放するLDKやインナーガレージ、さらには2階の個室に至るまでの大きな気積が2層のワンルーム空間を実現している。完成後、ご夫婦には待望のお子さんが誕生し、たくさんの友人が訪れる皿山の住宅は、ご家族や友人たちの隠れ家的存在である。これからもこの大きな屋根の下で豊かな暮らしが育まれることを願っている。

(松山将勝)

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