景趣の家

設計
髙田憲一郎/一級建築士事務所K16 Design Factory
施工
ASJ広島中央スタジオ[株式会社プレック]
撮影
野村和慎

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以前、「インナーガレージの家」を設計したクライアントから紹介されたのが、今回の「景趣の家」の施主である。

家づくりは一緒に土地を探すところから始まった。希望のエリアと予算が決まり、いくつかの候補地を一緒に見て周る中、物件情報を見る限りでは、あまり条件のよくない、北西向きで地形が悪い敷地を訪れた。すると、団地の中でありながら目の前には建物がなく、雄大な景色が広がる魅力的な環境だったので、デメリットの部分は建物で補うという方向性を示した上で、ここで計画をスタートすることになった。

施主の要望は、白を基調とした明るく開放的なLDKとそこから愛車を眺められるインナーガレージがあり、四季のうつろいを楽しめる室内を持ち合わせた家であった。

当初はRC造でシャープな外観を望まれていたが、予算的なことから木造となりながらも施主のイメージに沿ったフォルムとした。

内部空間では、決して広くはない無機質な玄関にピクチャーウインドウを設けて、そこから有機的な風景を取り入れ、絵のように飾った。LDKは中心にオブジェの要素を持たせた階段を配置させ、明かりが期待できない南東側をガレージとし、反対側の北西側に大きく開放することで十分な明かりを確保した。また、こうすることで常に愛車と雄大な景色を眺められるLDKを確立させた。それから、風景をリビングに飾るためにガレージの壁を黒くして、LDKとの境にあるガラスに映り込むようにした。そのほか、個室や水まわりからも、それぞれの景色が楽しめる位置に窓を設けた。

この建物は、施主の趣味・趣向が大胆に反映された内部空間になっているが、そこから外に目をやると日々うつろう四季を眺めながら暮らせる心地よい家となっている。

(髙田憲一郎)

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