佐用の別荘

設計
角直弘/一級建築士事務所設計組織DNA
施工
ASJ 尼崎・伊丹スタジオ[株式会社吉川組]
撮影
冨田英次

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敷地はテニスコートや温泉施設を備えたゴルフ場内にある別荘地の一角、都市計画区域外となる場所である。道路から敷地奥に向けて上がっていく高低差最大6mの斜面地。敷地奥にはゴルフ場の樹々やフェアウェイが広がる。

クライアントであるゴルフ好きのご夫婦はフェアウェイを望みながら、一族や友人が集まって団らんのひとときをもちたいと望まれた。フェアウェイを望みながらの団らんを得るには道路面より6mの高さにLDを設けなければならない。年配のご夫婦が6mの高低差を楽しみながらLDへ上がっていけるようにしたいと考えた。当然のことながら敷地奥に広がる風景をLDへ取り込むような計画とした。

道路から見ると斜面に平行な大きな軒の出をもつ3つの片流れ屋根が並び、平面的には大きなヴォリュームが2つ、廊下を介してクランクしながらつながるような形状としている。

また、斜面に沿うように4つの床レベルで構成することで建物のヴォリュームも出来る限り低く抑えている。ヴォリューム・オーバーな建物が多いこの別荘地の環境になじむべく、そして品格が感じられるような建築になればとの思いからである。

高さのあるRC打放し壁と薄く水平に伸びた屋根で構成されたアプローチは、門扉から中に入ると左手に中庭の樹々を望み、右手にはベンチが配置され玄関へと続いていく。

玄関に入ると敷地奥へと続く廊下があり、玄関からLDKまでをつないでいる。廊下は一番高い位置にあるDKにたどりつくまでに3つの階段を上がり、合計3mの高低差となっており、その途中に各室や水廻り、2階への階段が配されている。

LDKの東面と南面は水平垂直の枠と杉の羽目板による面のコンポジションによって切り取られたガラスを介し、その向こうに見えるフェアウェイや周りに広がる自然を一望できる。またDKの南面には大きなテラスを配置し、グリーンを望みながら家族みんなでバーベキューなど屋外で楽しめるスペースとした。

大きな自然につつまれたこの環境で、アウトドアでの楽しみとあわせ、住まいの中でもゆっくりと流れ行く時間と交流を楽しむ場所として使っていただけるのではないかと思う。

(角直弘)

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