月瞑庵

設計
三澤栄正/有限会社TEAMWORKS一級建築士事務所
施工
ASJ 旧・尾張一宮スタジオ[コモン建設株式会社]
撮影
鈴木研一

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桜の樹が立ち並ぶ小学校の隣、閑静な住宅街にある畑に囲まれた市街化調整区域の地。

ご夫婦の「和」への想いを軸に、高さを抑えた安心感のある建物の縦横比、古い家の換気棟をイメージした屋根の重なりと勾配、連続した柱による奥行感、いぶし和瓦による一文字軒瓦と風切丸のライン、町屋の厨子をイメージした連装窓と出格子をイメージした開閉切子格子建具、庇・垂木ライン・縁側が切り取るピクチャーウィンドウなどを無理なく組み合わせることで「和」のもつ美しさを表現し、まだ畑の多い周りの景観に十分配慮しました。

ゾーニング計画は、「玄関→三和土風土間→アンティーク千本格子建具→1坪黒タタミ→開閉切子格子建具→月見台→つくばい(RC製)→十月桜」が建物の中心軸となり、シンメトリのボリュームを形成し、その月見台では庭を眺めながらご主人がゆっくりお酒を飲むための場所を中心に、友人と休日愉しむための和風旅館をイメージした宴スペースとしてのLDK、子供達が家族の気配を感じながら自由に走り回れるリビング吹き抜けに面したファミリースペース、ヒノキの香る洗面室、市松をテーマにした寝室、花をテーマにしたゲストルームなどを配しました。

クライアント自ら京都で購入したアンティーク建具を全ての箇所に配し、構造材を含む木部塗装は全てクライアントご自身による古色調合塗装です。

風、光、影、水、緑、木といった自然のエネルギーを十分に感じながら四季を過ごし、秋にはつくばいの水盤に月を写し、月見台にて瞑想しながら桜を背景にお酒をゆっくり愉しんで頂きたいとの想いから庵名を「月瞑庵」と命名しました。

(三澤栄正)

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