Light Screen

設計
大江一夫+大江泰輔/マニエラ建築設計事務所
施工
ASJ御堂筋スタジオ[株式会社梅田コーポレーション]
撮影
松村芳治

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クライアントの最初の希望はユニークな家、家族の繋がりの感じる家であった。

敷地は、南面が、車や人の往来の多い前面道路に面した三叉路の角地であり、また、4層の建物の開口が敷地側にあり、プライバシーのとり方がこの住宅のファサードを考えるうえでのキーワードとなった。道路の通行人との見る見られるの関係に曖昧性をもたせるような素材として、40cm角の沖縄花形ブロックを採用した。緩やかな敷地のラインに沿って配された花形ブロックは、絶え間なく変化する自然光により、多様な表情を見せるユニークなライトスクリーンとなった。

またこの住宅は、1995年の壊滅的な被害を受けた阪神大震災以降、夙川近辺の大地主の土地が分筆されはじめ、それまであった長く続く垣根や風情のあった石垣が、コインパーキングなどに取って代わり変化していく街並みに対して、インスピレーションを求めている。一見、単に装飾的に見える花形ブロックの外観も、都市環境の中で、緩やかに住空間に自然を引き込むための緩衝材でありながら、地域のランドマーク的役割も担う一方、時の経過とともに地域に溶け込んでいくことを願っている。

ライトスクリーン、屋根のない中庭空間、それをブーメラン形に囲み連続していく空間のヒエラルキーが段階的に配されている。そこには風、雨、太陽、空といった自然を、ファサードとなっている花形ブロックと中庭に面した各開口部を通じて、屋内に深く引き込んでいる。家族の気配も常にこのヴォイド空間を介して繋がっている。

それらは視界や気配だけでなく快適な生活空間も演出している。夏にはスクリーンブロックが、暑い西日を砕き、中庭の水盤を通して入り込む風で涼む。また1、2階に使用しているコンクリートや石の床は、夏でもひやっとしており、素足で快適に暮らせ、冬には日中の太陽のダイレクトゲインが実現されており、ぽかぽかしている。1階のみの床暖房でも階段吹き抜けより2階の暖をとることが可能になっている。

(大江一夫)

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